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レアルコンサルティングの
安次富(あしとみ)です。
前回、不動産会社の担当者が
優先して物件を紹介するのは
すでに取引をしていて
資金が豊富で
すぐに判断してくれる人
という話をしました。
ここ数回の記事で担当者のことを
だいぶ理解できたのではないでしょうか?
ここからは、
良い物件を紹介してもらうために
実際どのように担当者と
付き合っていけばよいのか
をお伝えします。
良い物件の紹介を受ける秘訣は
次の3つのステップに分けると
わかりやすいです。
STEP1.会社を見極める
STEP2.担当者を見極める
STEP3.関係を築く
それではひとつずつ解説していきます。
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STEP1.会社を見極める
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同じ不動産会社であっても
ビジネスモデルも違えば
物件情報の入手ルートも違います。
良い物件を紹介してもらおうと思ったら
付き合う会社の見極めも大切です。
あくまでも傾向としてですが
良い物件の情報が期待できるのは
次のような会社です。
1)大手
三井、住友のような
世の中に広く認知されている
名前がついた会社です。
大手にはブランドを信頼して
様々な情報が集まってきます。
その中には、特別な事情があって
価格よりも期間を優先したり
内密に売却を進めてほしいという
案件も含まれています。
2)物上げ業者
オーナーに電話やダイレクトメールなどで
接点を持ち、売却の依頼を直接受けて
売却活動をしている会社のことです。
大手と同様に、相場より低い金額でも
売却に応じる案件が入ってくる
可能性があります。
3)任意売却業者
破産やローンの滞納などで
差し押さえられた物件を扱う会社です。
弁護士やサービサー(債権回収会社)から
売却を依頼されることもあります。
「市場とは異なる考え方」で
価格が決まるので、相場よりも
安くなる場合があります。
4)地場の不動産会社
相続が関係する売却の話などは
古くから付き合いのある所や
近所の商店街の不動産会社に
いくことがあります。
また、古くからあるアパートの大家さんは
地元の会社に管理を任せていることがあり
売却の相談もそこにする傾向があります。
ただ、地場の不動産会社は売買よりも
賃貸がメインであることが多いので
価格の設定ミスが比較的起きやすいです。
5)長くやっている会社
営業歴が長いとそれだけ
オーナーとの付き合いも
長いと考えられます。
長い会社=良い会社
とは限りませんが、若い会社に比べると
お宝物件が入ってくる可能性はあります。
営業歴の長さを調べるのは簡単です。
宅地建物取引業の免許番号を見ると
免許が何回更新されたのかわかります。
免許は5年ごと
(平成8年3月以前は3年ごと)
に更新されますので、
更新回数が多いと、それだけ営業歴も
長いということになります。
例:国土交通大臣(1)第1234号
例:東京都知事(5)第1234号
カッコの中の数字が
免許の更新回数です。
ただし、大臣免許の会社は
都道府県知事免許から変更した時に
(1)に戻っているため
設立年の確認が必要です。
東京都知事(5)第1234号
↓大臣免許へ変更
国土交通大臣(1)第1234号
今ご紹介したような会社が
『情報の川上』になり得る会社です。
彼らは自社で買い手を見つければ
仲介手数料が2倍もらえます。
(売主と買主の両方から頂ける)
そのため、レインズ(業者間で
売却情報を共有するWEBサイト)には
情報を公開せず、自社で抱えている
お得意様に紹介することが多いです。
ただ、オーナーと
“専属専任”媒介契約を結んで
売却活動をする場合は
5営業日以内にレインズへの登録が義務
となるため、情報を独り占めに
し続けることはできません。
ですので、レインズにも良い物件が
掲載されることはあります。
そして、このレインズを見て
購入希望者に物件を紹介するのが
客付け(きゃくづけ)業者です。
オーナーと接触することはなく
他社がオーナーから売却の依頼を受けた
物件の買い手を見つけて、
その人が実際に購入したら
仲介手数料を頂くビジネスモデルです。
彼らはレインズが主な情報源です。
常にレインズを監視しており
新着物件をチェックしています。
良い物件を掲載すると
数十分、早ければ数分後に
問い合わせの電話がかかってきます。
「レインズには良い物件がない」
という話を聞いたことが
あるかもしれませんが
もともと無いというよりは
良い物件は瞬時に無くなるため
結果的に売れ残りが多い
ということになります。
客付け業者の競争は激しいので
良い物件の情報を手にする確率は
どうしても低くなってしまうんです。
また、レインズに掲載されている物件を
自社で安く買い取り、リフォームして
商品価値を高めた上で売却し
差益をとる会社も存在します。
このような会社を
買取業者と呼んでいます。
他にも、三為(さんため)業者といって
中間省略という方法で、
物件を右から左へ転売し
差額で儲ける会社もあります。
謄本上の所有者と売主が異なったり
「新・中間省略登記」
「第三者の為にする契約」
などという言葉が出てきたら
三為業者である可能性が高いです。
この買取業者と三為業者は
「安く買って高く売る」
というビジネスモデルなので
紹介される物件には
利益が上乗せされています。
ですので、販売価格は
仕入れ値に左右されます。
かなり安く仕入れた物件であれば
利益を乗せたとしても相場より
安くなるケースはあります。
彼らから物件を購入する場合は特に
物件の目利きが大切になってきます。
この“情報の川下”にいる
客付け業者
買取業者
三為業者
にはいくつかの共通点があります。
一言で表すと「販売力が強い」です。
彼らは、投資物件としてはあまり
魅力的ではない(利回りが高くない)物件を
扱うことが比較的多いです。
そのため、広告に力を入れていたり
無料セミナーを頻繁に開催しています。
また、金融機関とのつながりがあって
融資が受けやすかったりします。
(決して好条件ではありませんが)
実際の手残りやリスクの説明が少なく
融資付けを全面に押し出すような
会社には注意が必要です。
その会社がどんな会社なのかを
ネットだけで把握するのは
難しいかもしれません。
一度はセミナーに参加したり
掲載物件について問い合わせるなどして
担当者とつながり、
ビジネスモデルや物件の情報源について
それとなく聞いてみるのがよいでしょう。
そして、
今回お伝えした内容を参考にして
その会社とお付き合いするかどうか
決めてみてください。
次回は
STEP2.担当者を見極める
です。